通信環境の変化とネットワークの基本ツール

近年のインターネットサービス

 インターネットはすでに我々の生活において必須のインフラになっている。特にオフィスワークでは、テレワークなどのオンラインへの移行が顕著に見られる。また、一般的なスマートフォンは、4G/5Gといったモバイルネットワーク、Wi-Fi、Bluetooth等の多くの無線通信機能が実装されている。

クラウドコンピューティング

 サービス事業者側のデータセンターにシステムが構築され、ユーザはインターネットを介してサーバにアクセスし、その機能を利用する概念および手法。

従来では、手元のコンピュータにプログラムをインストールして機能を享受していた。これは、ユーザの環境の資源(リソース)への負担が大きかったが、クラウドによってこの負担を低減することができる。

エッジコンピューティング

サーバやストレージを分散配置することで、クラウドコンピューティングよりデバイスに近いところで処理する概念および手法。

 クラウドは大規模なサーナやストレージを集約して配置するため、ユーザとデータセンター間の伝搬遅延に問題があった。低遅延性を向上させる動きによってうまれた。エッジコンピューティングはデータをエッジサーバで処理するため、クラウドに転送されるデータを削減し、データセンターのシステムサーバの負荷を低減できる。

 ここからは、ネットワークを学習する上での基本ツールを少しばかり紹介する。

ping (Packet Internet Groper)

 pingは、2台のコンピュータ間におけるネットワーク接続を確認するためのコマンドである。pingは疎通確認をし、到達性と応答速度をテストすることができる。
 Windowsではコマンドプロンプト、macOSまたはUbuntu系のOSであればターミナルに次のように記述することで宛先のIPアドレス間の疎通確認が可能である。


ping command

パケットキャプチャ

 ネットワーク上のパケットを捕まえることをパケットキャプチャと呼ぶが、キャプチャしたパケットの内容を確認するのにWiresharkというツールがある。
https://www.wireshark.org

iPerf

 ネットワークのパフォーマンスの指標としてスループットがある。スループットとは、単位時間あたりの転送データ量のことを指す。これを通信速度というが、スループットを測定するツールとしてiPerfというものがある。
https://www.iperf.fr
 インストール後、ターミナルに次のように記述すると実行できる。

iPerf command