トランスポート層

トランスポート層

 トランスポート層は、OSIにおけるl1~l3のような物理的な通信経路を扱うのではなく、論理的な機能を扱うレイヤーである。

トランスポート層の代表的なプロトコル

 トランスポート層のプロトコルとして、UDP(User Datagram Protocol)とTCP(Transmission Control Protocol)の2つが用いられている。プロトコルの選定は、リアルタイム性(低遅延性)と信頼性の観点から決定される。信頼性がないとは、パケットデータにビット反転が生じたり、そのものが消失するなどがある。

UDP

 インターネット黎明期から使用されていたコネクションレス型のプロトコルである。コネクションレス型であるため、データが正確に送信されたかを確認する機能はなく、信頼性を制御する複雑な制御はない。一方で、複雑な制御機構を持たないことから、プロトコル自体は低容量であり、通信効率が向上する。 

 UPDを用いるとき、送出するデータにUPDヘッダが付与される。UPDヘッダが付与されたデータをデータグラムと呼ぶ。

UPD Header

 以下にUPDヘッダの構成を示す。
始点ポート番号 終点ポート番号
パケット長 チェックサム
データ

  • 送信元ポート番号(16 bit): レイヤー4の通信を識別するために利用するポート番号について、通信相手から通信を受信するのに用いるポート番号を指定する。
  • 宛先ポート番号(16 bit): 通信相手のポート番号を指定する。同じ宛先のデバイスであっても、アプリケーションごとにポートを変更することで、通信は多重化できる。
  • データ長(16 bit): UDPエッダとペイロードの総データサイズをバイト数で表現したもの。
  • チェックサム(16 bit): 誤り検出に用いられる符号の一種。伝送中に誤りが生じると、受信側で不具合を検出する。